検査技師の業務

中規模病院で勤務する検査技師の1日

2021年5月17日

今回は中規模病院で勤務する臨床検査技師の1日について書いていきます。

とは言え、今回書く内容は私が仕事をしている生化学業務の1日です。

エコー検査や心電図検査などの生理機能検査ではないのでご了承下さい。

この記事の内容

  • 生化学検査に携わる検査技師の1日がわかります
  • 遅番、当直のない1日の業務内容です

出勤~朝の仕事

出勤

病院で勤務する医療従事者は共通して指定の制服やユニフォームがあるので、それに着替えてから業務に取り組みます。

そのため、私服で通勤してOKで、更衣室で着替えてから検査室に向かいます。

朝の仕事(ゴミの片付け等)

職場の中では青二才なので、ゴミで一杯になったゴミ箱を新しくしたり、キャップなどの備品の補充から始まります。

また、PCを立ち上げたり、様々な準備をしています。

しかし、生化学は機械が測定できるまでに時間が掛かるので、朝の仕事をしながら精度管理の準備も進めていきます。

ナオキ
地味にゴミの中に重たい物があったりするのでシンドイこともあります

病院によっては朝礼を実施する病院もあります。

朝礼の内容にもよりますが、大体10~15分程度で終了することが多いです。

午前 (精度管理~測定)

精度管理

朝の仕事が終了したら、自分の本業に取り掛かることができます。

試薬が足りない場合は、補充をし、精度管理をしていきます。

病院によっては朝に1日分の試薬を補充するところもありますが、私の病院では午後にも試薬が足りない場合は補充をしていきます。

他の病院で精度管理に要する時間はわかりませんが、私のところでは最低でも20分掛かります。

試薬量が多いと、精度管理に要する時間も多くなります。

2SD超えたら、再測定し直したり、試薬を交換したりします。

もし、この2つの方法で解決しない場合は標準物質を用いてキャリブレーションをしたりします。

(精度管理と標準物質の詳細は別の記事で書きます)

精度管理について

精度管理は測定した結果が正確に保証できていることを評価するものです。

測定数値の信頼性を維持させたり、向上させたり上で重要になります。

もし、精度管理がしっかりできていなかったら、患者さんの採血結果が毎回異なる数値になり、採血結果を保証するできていません。

精度管理に問題がない場合、患者さんの検体を流すことができます。

測定

精度管理が終了後はひたすら患者さんの検体を流し続けます。

ある程度患者さんの検体が溜まってきたら、整理して冷蔵庫に保存します。

医師や看護師から検査の追加の連絡があった際は検体が足りるかを確認し、追加できる場合は追加します。

検体量が足りない場合は採血の取り直しをお願いすることがあります。

検査結果は勝手に電子カルテに伝送されるので、あまり見ることはないです。

パニック値や前回値と今回値で乖離があった場合は検査結果を見て、問題がない場合は転送します。

緊急性が高い検査数値の場合は医師に報告することもあります。

お昼

お昼休憩は1時間あります。

病院によってお昼休憩の時間は異なりますが、基本1時間の休憩があります。

食堂で食べる人もいれば、お弁当を持参して休憩室で食べる人など様々です。

雑談をしたり、テレビを観ながら食べる人など人それぞれです。

ナオキ
私は1人で落ち着きたいので、基本的に誰もいないところにいることが多いです

お昼当番

勿論、お昼当番がいないと検査室が回っていかないので、数人のお昼当番がいます。

お昼当番の時間帯で忙しくない時間帯はないです。

午後に診察がある患者さんは昼番帯に採血や心電図の検査をするために来ます。

電話対応したり、スピッツを遠心したりなど様々な業務を数人でカバーするのはキツイです。

午後 (精度管理~測定、その他)

精度管理~測定

午後も午前中と同様に精度管理をしていきます。

本当に精度管理は生化学では重要になるので、午後も実施します。

私の病院では夜間帯も検査室は稼働しているので、次の日の朝まで試薬が無くならないように補充していきます。

病院によっては夜間は稼働しない病院もあるので、その際は機械をシャットダウンさせています。

試薬補充後、精度管理をしていき、問題がなければ患者さんの検体を流します。

その他

午後は午前と比較すると検体量が少ないので、試薬の在庫管理や機械のメンテナンス等をしています。

生化学では測定する際に生理食塩水(生食)で希釈するので、必要に応じて生食を補充します。

また、検体を測定し終わる度にピペットを洗浄する必要がありますので、洗浄液も補充することがあります。

試薬が無くなってしまったら、生化学業務では命取りになるので、在庫管理は徹底しています。

無くなりそうな試薬を発注し、空にならないようにしています。

メンテナンスは定期的に実施していないと機械が壊れてしまい、機械自体の寿命も短くなってしまいます。

また、光源ランプなどの消耗品は交換をしないと測定に影響を与えてしまうため、定期的に交換が必要になります。

ナオキ
勿論、メンテナンス時は検体を測定していない時に実施しています。

終業

特に何もなければ、当直者と遅番帯の人に引き継ぐことができます。

遅番、当直者が生化学担当者とは限らないので、必ず伝達事項がある際には連絡をします。

そして、終礼をして業務が終了します。

最後に、忘れていない仕事がないかを確認して帰宅します。

まとめ

今回は中規模病院で勤務する検査技師の1日について書きました。

今回は生化学業務しか書いていませんが、他の部署もあまり変わらないと思われます。

青二才である私の最初の仕事はゴミの片付けから始まります。

午前と午後でほぼ同じ業務しかやっていませんが、生化学業務では精度管理が重要となるので、精度管理がルーティン化しています。

病院によっては午後に委員会などがあり、それに出席することもあります。

検査技師も地味に忙しいこともあります。

  • この記事を書いた人

ナオキ

中規模病院の臨床検査技師から一般企業に転職。 転職期間10ヶ月、応募数は100社以上。 →転職で給料と休日数アップ。 検査技師から一般企業への転職で自信がない、内定が貰えない人向けに記事作成

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