今回は平日に当直(夜間に仕事すること)がある日の1日? 2日?の仕事について書いていきます。
病院によって、当直の勤務体制は異なります。
夜勤帯が始まる前に出勤する病院もあれば、いつも通り朝出勤して、次の日の朝まで働く病院もあります。
私の病院の検査室では朝出勤して次の日の朝に退勤するスタイルです。
そんなスタイルの24時間勤務をご紹介致します。
下に平日の定時出勤、定時退社の記事も書いていますので、日勤帯の具体的な業務内容は省きます。
日勤帯の業務内容についてはこちらを参考にして下さい。
今回の記事内容
- 救急の検査内容
- 病棟の検査内容
- (おまけ)輸血がオーダーされた際の準備
当直の時間
どの病院も大体17時30分~18時が終業時間であると思われます。
この時間帯から当直者と遅番帯の人達であらゆる検査に対応していきます。
自分の担当部署でなくても検査をしていかなくてはいけません。
当直明けの時間は病院によって異なり、8時30分だったり、9時だったり様々です。
当直明けは普通に帰宅することができます。
人によっては自分の仕事が終わらずに、朝の11時まで残業する人がいたりすることもあります。
ないとは思いますが、当直明け後も1日働くということはないと思われます。
検査内容は検体検査がメイン
当直中は検体検査がメインであり、時々心電図検査がある程度です。
エコー検査や病理検査は検査しません。
緊急のopeでエコーを使用する際はエコー担当者を電話で呼びます。
救急からの検査がほとんど
当直中は救急からの検査がほとんどで、入院患者がいる病棟は時々ある程度です。
救急で検査する内容は決まっており、生化学、血算、血糖などの検体検査系がほとんどです。
たまーに凝固も検査することがあります。
患者さんの症状によっては尿検査も出ることがあります。
救急は心電図を看護師さんが実施するので検査技師の出番はありません。
検体検査以外にも培養の検査が時々出ることがあります。
培養検査も患者さんの症状によって異なり、血液培養、尿培養、喀痰培養など様々あります。
腎臓が悪いと思われる際は尿培養の検査をし、直ぐに細菌感染の結果が知りたい場合にはグラム染色もすることがあります。
グラム染色では
陽性細菌、陰性細菌、球菌、桿菌
の結果で大雑把に分類します。
基本的に細菌種類を特定することは当直中には実施しないので、細かい分類は翌日の担当者に引き継ぎます。
ポイント
救急の最初の検査は生化学、血算、血糖の検体検査
症状によって、凝固や尿検査、培養の検査も出る
病棟患者の検査内容
病棟の患者さんはほとんど検査することはありません。
寧ろ、検体系の検査が出た際は患者さんが急変して至急で結果を知りたいときです。
心臓カテーテル後などで1時間後や3時間後など時間指定がある採血はその都度検査していきます。
しかし、朝6時くらいから病棟の検体が一気に検査室にきます。
病棟の朝の採血はとにかく量が多いので、全てを処理しきれません。
ICUや結果を先に出してほしいなどの依頼があった検体は優先的に検査します。
それ以外は結果が出た順番に結果を検収していきます。
休み明けなどは検体量が多く、他の人が出勤する時間を過ぎても処理しきれないことがあります。
その場合は、各担当者に任せて結果を検収してもらったりします。
ポイント
朝の病棟の検体量は多く、処理するのが大変
当直者の仕事として、検体がちゃんと提出されているかを確認しなければいけません。
未提出の検体があった際は病棟に提出するかどうかの連絡をしなければいけません。
提出できるようであれば提出してもらい、提出できない場合はキャンセルするかを連絡します。
尿検査は出る出ないがありますので、日付が変わるギリギリまで待つこともあります。
検査オーダーは検査技師独自の判断でキャンセルにすることができないので、病棟の看護師さんに確認の連絡をします。
たまーに心電図がでることがあります。
救急とは違って、病棟の看護師さんは心電図を撮ることができないので、検査技師が検査しなければいけません。
検体系しか検査をしていないと心電図の付ける位置が間違っていないか不安になることがあります。
輸血検査
輸血検査は輸血専任の当直者がいる場合といない場合があります。
一部の二次救急病院と三次救急病院の場合、検体検査系の当直者とは別に輸血担当者の当直者がいます。
輸血検査も当直者1人で検査しなければいけない病院の場合、タフなことがあります。
当直中に輸血のオーダーが入ることはあまりないのですが、
当直中の輸血 = 緊急輸血
なので、医師や看護師さんから急かされることがあります。
看護師さんに緊急の有無を確認して、急ぎでない場合はゆっくり準備することができます。
院内に輸血製剤の在庫があるかを確認する必要があり、製剤がない場合は血液センターに発注しなければいけません。
輸血する単位数が多いと、中々寝ることができません。
少し暇になったから寝ようと思っても起こされることがザラです。
血漿(FFP)は凍結で保存しているので、輸血する際は融解しなければいけません。
融解する時間は15分程度なので、寝ても直ぐに起こされる時間です。
輸血で寝れない状況
- 輸血する単位数が多い
- 血漿(FFP)がある
その他の業務内容
上記に書いた内容が当直中の主な業務内容ですが、それ以外にもたまーにある業務内容を書いていきます。
その他の業務
- 病棟から朝の採血に関する問い合わせ
- 血液検査や一般検査で使用する緩衝液などの消耗品の交換
採血に関しては看護師さんよりも検査技師の方が詳しいです。
どのスピッツで採血すべきかなどの問い合わせがあります。
生化学検査で採血する本数が2本ある場合、1本でも検査できないかんどの問い合わせもあります。
この場合、検査する項目数が多くなければ1本で検査することが可能ですが、項目数が多いと2本採血してもらうことがあります。
血液検査や一般検査で使用される緩衝液などはいつ消費するかがわかりません。
このような試薬はなくなるまで交換しないことが多いので、当直中になくなったら、当直者が交換します。
生化学検査も緩衝液を使用しますが、消費量が血液検査や一般検査と比較するとハンパないです。
そのため、生化学検査は緩衝液が次の日の朝まで足りるように補充をします。
まとめ
今回は平日の当直業務について書きました。
業務内容的には救急からの検体検査がメインであり、病棟からの検体はほとんどきません。
しかし、朝の病棟からの検体量は多く、処理しきれません。
輸血のオーダーが出た際は寝ることが難しく、交差適合試験などの準備などがあります。
テキパキと処理していかなければ、看護師さんから『まだ?』などと言われてしまいます。
この他にも検体が出ていないかを確認したり、看護師さんからの問い合わせの対応などの業務があります。
翌日の朝8時30~9時になると、当直業務が終了し、帰宅することができます。