病院の検査技師を目指しているけど、将来性はあるの?
機械に検査技師の仕事は取られない?
など疑問や不安に感じている部分があるのではないでしょうか…
今回は検査技師の将来性について書きます。
先に結論だけ言うと…
「検査技師は国家資格だから将来は安泰だ」
と考えない方が良いです。
検査技師の仕事は看護師などの職種に取って替わることができます。
増してや、検査センターでは血液などの検体検査は機械化が進んでいます。
上記はあくまで1例ですが、他にも検査技師の仕事だけでなく、検査技師自体が不要となっていく内容について書いていきます。
病院の検査技師を目指している人は参考にして下さい!
目次
1. 検査技師の仕事は他の職種でもできる
冒頭にも書きましたが、検査技師の仕事は他の職種の人でもできます。
臨床検査技師しか検査に携わってはいけないという法律はありません。
医師や看護師、その他の医療系の資格を持っている人であれば、誰でもできます。
医師や看護師が検査をしてもいいのですが、本来の仕事ができなくなってしまうため、検査技師が代わりに検査をしているのです。
実際、回復期リハや透析の病院では採血検体を看護師が処理し、エコーは放射線技師や工学技士が検査している病院があります。
1.1 精度管理は工学技士でもできる
エコーや検体検査の機械を精度管理するのは工学技士でも実施できます。
精度管理は難しい内容ではありあません。
精度管理のデータに問題があった際の対処法さえ知っていれば、誰でもできます。
寧ろ、機械に詳しい工学技士の方が機械でエラーが発生した際に柔軟に対応できるかもしれません。
1.2 検査センターに外注する
病院やクリニックの規模があまり大きくない医療機関では血液や尿の検体を外注に出します。
そんなに大きくない病院では至急で検査をするような患者は来ません。
どうしても血液検査の結果が知りたい患者がいた場合は医師や看護師が採血をします。
検査技師は全ての病院で働けるわけではなく、ある程度の病床数がある病院でしか働くことができません。
検査センターでは機械化が進んでいる
検査センターでは血液など一部の検体検査は機械化が進んでいます。
実際、機械に任せた方が楽ですし、正確です
機械に任せている分、人員を減らせますし、今まで検査していた人を他の部署に異動させることもできます。
1人も検体系にいない訳ではありませんが、最小限の人数で仕事ができます
2. 他の職種よりも専門性が低い
検査技師は放射線技師や工学技士よりも専門性が低いです。
放射線技師はレントゲン、CT、MRIが取り扱えるので、放射線に関して詳しいです。
工学技士は透析などの機械に詳しく、修理できそうであれば、直してしまいます。
検査技師に関しては、それほど専門的な知識や技術は必要ではないと思われます。
強いて検査技師の中でも専門性が高いと思われる仕事は以下の3つです。
- 病理
- 輸血
- 細菌
上記3つに関しては検査技師の中でも専門性が高く、今後も需要があります。
また、この3つは検査室(部)とは別に病理室(部)のように独立している病院が多いです。
3. 新卒者があふれている
病院で新卒者を募集する人数と新卒者が応募する人数の割合が崩壊しています。
応募する人数が多い(飽和)状態です。
病院の検査技師が採用する人数は多くて2、3人程度です。
2、3人しか採用されないにも関わらず、応募者は100人を超す場合があります。
1つの病院で内定が貰えなかった人たちが他の病院で内定が貰えているかと聞かれると…
「NO」
です。
寧ろ、内定ないまま卒業をする人がいます
今の検査技師は病院に就職しようと思ってもできない状況です!
3.1 人手不足は半分本当で半分ウソ
学校の先生や臨地実習で行った病院でこんなことを言われたことはありませんか。
この言葉を真に受けないでください!
本当に検査技師が足りていないのであれば、就職先がないまま卒業する人はいません。
先輩の検査技師の発言は…
「(検査室だけで考えると)人手が足りない」
という意味になります。
病院(人事部)側の考えを言うと…
「検査室に人が少なかったとしても、検査室の定員は〇人と決めているので、多くの新卒者は採用しません」
となります。
あまりにも多くの検査技師を雇ってしまうと、人件費が払えなくなります。
また、検査技師長としてもあまりにも検査室内に人が多くなってしまうと、管理ができなくなると考えています。
病院の検査技師は一定の人数になるように保たれています。
4. 今後は活躍の場を広げていく
検査技師の将来は安泰ではない内容を書いてきましたが、今後の検査技師を目指している人はどのようにすればいいのでしょうか?
考え方は3つあります。
- 数多くの学会発表をしていき、研究者として活躍する
- 新卒で一般企業に就職する
- 検査技師になった後、一般企業に転職する
今後は検査技師の仕事1本だけでなく、次から次へと自分の経験値を増やし、活躍の場を増やしていく必要があります。
4.1 研究者として活躍する
研究者として活躍をしていけば、大学などの研究機関で働くことができます。
また、メーカーから講演会などを依頼されたり、ヘッドハンティングされる可能性もあります。
注意ポイント
研究を「心の底からしたい」と考えている人だけが研究者を目指して下さい。
研究に興味がないのに、研究をしようとするのは苦行なだけです。
研究に興味がない人にはおススメしません。
4.2 新卒で一般企業に就職する
始めから検査技師を目指すのではなく、一般企業に就職をしてしまう方法もあります。
病院と違って、内定がなかなか貰えなかったとしても、一般企業は数多くあるので、どこかしら1社からは内定が出ます。
また、国家試験に落ちたとしても、内定が取り消されません(よっぽど悪行をしなければ…)
検査センターがねらい目
検査センターは一般企業であり、病院とは異なり、多くの人を採用します。
また、普通の学生とは異なり、検査技師の勉強をしてきたので、内定獲得率は他の人よりも高いです。
検査センターは国家試験に落ちたとしても、検査技師の勉強をしていることがわかれば、就職はできます。
その代わり、病院で働くブランチラボはできません。
転職もしやすい
新卒で一般企業に勤めていた方が病院に勤めている人よりも転職しやすいです。
一般企業は病院の職員を一般常識がない人と思っています。
本当に一般常識がない人が多いです
求人を出している会社的にも一般常識やマナーが身に付けている人を採用した方が教育をしなくて済むので、楽になります。
転職のしやすさの面で考えても、新卒で一般企業に勤めていた方が良いです。
4.3 検査技師の後、一般企業に転職する
1回病院の検査技師として勤務した後、一般企業に転職する方法もあります。
転職する会社はできるだけ検査技師に関わりの深い企業にしておいた方が良いです。
知識や経験が活かせるので、比較的はやく仕事の理解ができます。
転職した会社側にとってみても、元病院の関係者がいるだけで、最高の人材です。
まとめ
今回は検査技師の将来性について書きました!
検査技師の将来はあまり明るい未来はないと考えた方が良いです。
しかし、検査技師としての経験を活かして、活躍の場を広げていくことができれば、明るい未来があります。
記事を読んで下さりありがとうございます。